22、岡部 宇津之山
『東海道五十三次』は、旅の起点である東京日本橋から京都三条大橋迄のいわば宿場町と道中の風景を描いた歌川広重の代表作です。
蔦の細道の名で親しまれた宇津の谷峠は、「伊勢物語」の一話の舞台として有名です。
この一帯は「宇津の山」と言われていました。
蔦の細道は画題として琳派の画家たちに好んで描かれ、また宇津之山図の画題でも好まれて描かれました。
坂の上には薪を担いだ杣人が姿を見せ、籠を担いだ二人の人物が後方から続きます。この蔦の細道のそばに本図の街道を開いたのは、桃山時代の豊臣秀吉になります。
伊勢物語の一節より
「行き行きて駿河の国にいたりぬ。
宇津の山にいたりて、わが入らむとする道はいと暗う細きに、蔦かへでは茂り、もの心ぼそく、すゞろなるめを見ることと思ふに、修行者あひたり。かゝる道はいかでかいまする、といふを見れば見し人なりけり。 京に、その人の御もとにとて、ふみかきてつく。駿河なる宇津の山辺のうゝにも夢にも人に逢はぬなりけり」
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