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源氏五十四帖 第47帖 総角

源氏五十四帖 第47帖 総角

源氏物語五十四帖は、源氏の一生と、その子薫君の生涯にまたがって書かれた最古の長篇小説です。

 

耳なれた宇治の川、風の音も、この秋はひとしおもの悲しく、故八宮の一周忌の準備に姫君たちは忙しく過ごしておりました。訪れた薫君は、大君をまたしてもかきくどいたが、生涯を純血の処女でおし通そうと決心している大君の心を、ひるがえすことは出来ません。大君は、むしろ妹の中君を薫君にすすめたかったけれど、薫君の心は動きませんでした。
数日後、薫君は再び宇治に赴き、大君は中君に薫君に逢うようにすすめ、相談した弁尼は、むしろ大君が薫君に逢うことをすすめられました。

薫君は、匂宮に中宮を逢わせる約束をし、彼岸の果の日、二人で宇治へ出向いて行きました。その夜、句宮は、薫君のふりをして中君の寝室へ忍び入りその望みをかなえます。しかし、句宮は、母の明石中宮の手前、外出も不自由で同じ六条院に住む夕霧左大臣が自分の六の宮と結婚させようとしているので中君の許へ足繁く通うことも中君を正妻として辿えることも困難でした。
九月にも十月にも、宇治へ行く機会はあったけれど、人目をはばかり心にもなく匂宮の足は中君から遠ざかって行きました。更にまた、匂宮と中宮とのうわさが表面化し、今上や明石中宮や夕霧などから固く戒められたので、中君との間はますます疎遠になるばかりです。中君の幸福を心から念じている大君は、男の非情を恨めしく思いました。
冬の日、薫君が宇治へ行くと、大君が瀕死の重態に陥っています。驚いて枕頭につききり看護したが、そのかいもなく息絶えてしまいました。
年の暮、薫君が六条院へ帰って来ると、明石中宮は薫君と匂宮の愛情の真実に心が打たれて中宮と匂宮の結婚を許しました。

 

源氏五十四帖

海老名正夫原画

製作32年

技法 木版画

サイズ 33×23.5

マットサイズ

額装サイズ

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    第47帖 総角
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