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源氏五十四帖 第45帖 橋姫

源氏五十四帖 第45帖 橋姫

薫君二十才から廿ニ才の十月迄、、、
この巻から、最後の「夢の浮橋」までを「宇治十帖」と呼び、源氏物語の中で、最も優れた部分とされています。


その頃、世の中から逃れ住んでいた宮様があった。故桐壷帝の御子で、源氏の異母弟に当り八宮といった。かつて弘徽殿大后が、朱雀院在位の時、この八宮を擁立する陰謀をめぐらして失敗した後は、山水明娼の宇治に移り住み、宇治山に住む高徳の阿閣梨に仏学を学び出家同様の生活をしておりました。この入宮には、故北の方との間に、姉の大君と妹の中君とがいらして、薫君は、阿闍梨の紹介で八宮と親交を結び、深遠な仏教の教義に就いて学び、三年の歳月が経っておりました。秋の末、薫君は、宇治に八宮を訪れたましたけれど、山龍の留守中で二人の姫君ばかりがお留守番をしておりました。
静かにかき鳴らす琴の手振りを垣根越しにかい間見ると、気高く美しい姿です。薫君が大君に会って意中をほのめかすと、大君はそのまま座を立ち、代りに一人の老女が出て来ました。柏木の乳母の娘で弁尼です。この尼と一夜語り明かした翌朝、薫君は、一首の和歌に大君への思慕の情を託して帰って行きました。
十月五、六日頃、薫君はまた八宮を訪れます。八宮は、出家しようと思うが二人の姫君のことが心配になるともらしたので、薫君は責任をもって1人を引き受けたいと話しました。
夜明け方、六十才ばかりの弁尼と話をしていると、尼は、柏木の臨終の様子を話し、薫君は源氏の実子でなく、実は柏木の子だという事実を涙ながらにうち明けた。この話を聞いた薫君は、悲しい宿命に急に目の先がくらむ思いです。

 

源氏五十四帖

海老名正夫原画

製作32年

技法 木版画

サイズ 33×23.5

マットサイズ

額装サイズ

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    第45帖 橋姫
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